虫歯予防の基本は歯磨きで、虫歯の原因となる歯垢を十分に取り除く歯磨きをする事が虫歯予防法として重要です。
色々な歯磨きの方法が指導されていますが、1日1回でも良いので確実に磨くことで効果はあがります。
また予防歯科は、虫歯や歯周病などの予防だけが目的と考えられがちですが、単に虫歯や歯が疾患しないようにするというだけでなく、病気の進行に応じた処置も含め口腔内全体の健康を増進するといった目的もあります。
歯垢がつきやすく磨きにくい奥歯等を意識し丁寧にジックリと磨くことが予防に繋がります。
また歯と歯茎の境目も重要な歯磨きのポイントです。
この部分はくぼみになっており、非常に汚れがたまりやすい箇所です。
歯ブラシでは磨けない部分は、歯間ブラシ・デンタルフロス・部分磨き用歯ブラシなどの補助器具を使用した虫歯予防をお勧めしております。
奥歯の溝は複雑な形をしており、歯が生えたばかりの場合は、汚れが残りやすく、むし歯になりやすいことがあります。
そのような溝をあらかじめ、セメントや接着力のあるプラスチック(レジン)で埋めて、掃除がしやすく汚れが貯まりにくくすることで、むし歯にしないようにするのが、シーラントです。
セメントのシーラントは、エッチング(酸処理)が必要なく、フッ素徐放性です。
ただ、かみ続けることで徐々に外れてしまうことがあります。
シーラントプラスチック(レジン)のシーラントは、エッチングが必要ですが、外れにくいのが特徴です。
生えて間もない奥歯の永久歯(6歳臼歯)は、とてもむし歯になりやすいので、この方法は有効となります。
当院では、患者さまのお口の状態にあわせて、シーラントの種類も含めお勧めいたします。
お子様の生えたての永久歯はやわらかく虫歯になりやすいため、シーラントがお勧めです。
「溝が深く歯ブラシの毛先が入りにくい奥歯」や「汚れがたまりやすい前歯」の裏等に処置をします。
4年以上で約60%の虫歯予防効果が認められており、またフッ素塗布との併用によって更に予防効果は高まります。
シーラントは歯を削ったりすることなく痛みもありません。
歯の溝の部分をプラスチック等でコーティングするため、安全に高い予防効果があります。
また、多くの場合が保険治療で処置が可能です。
シーラントを行う治療時間は歯一本につき、約5分です。
お子様の虫歯が心配といった方はお気軽にご相談下さい。
シーラントを行う前に、まず歯のクリーニングをします。 |
シーラントを行う対象の歯へ薬剤を塗ります。 |
歯の溝へシーラントをコーティングします。 |
シーラントと歯をくっつくけるための光線を当てます。 |
定期的な歯科医院でのメンテナンス |
シーラントは薄くわれやすく、次第にすり減ります。
そのため定期的にご来院をいただき、 予防効果が弱くなってしまわないようチェック・メンテナンスをお勧めいたします。
「シーラントを行う事によって虫歯にならないといった訳ではない」ため、シーラントを行っても引続きご自宅での歯みがき、お母様・お父様の仕上げみがきはやはり重要です。
歯の表面にフッ素を塗布することで、歯の質を強くし、虫歯になりにくくする治療です。
シーラントは奥歯の予防処置ですが、フッ素塗布は歯全体の予防処置になります。
この2つの治療を行うことにより、虫歯の予防効果は高くなります。
※フッ素は予防処置ですので、必ず虫歯にはならないというわけではありません。
食べたら磨く習慣をつけるといった、ご自身で虫歯予防を意識することがとても大切です。
・治療費 標準料金:2,200円(税込)
・治療期間目安:2週間
・治療回数目安:2回
・注意点・リスク:アレルギー反応
PMTCは歯科医院にて行う専門的な歯のクリーニング方法で、
「Professional (専門家が行う) Mechanical(機械的な) Tooth(歯の) Cleaning(清掃)」の略です。
PMTCには以下のようなメリットがあります。
毎日ご自宅でしっかりと歯磨きを行っているつもりでも、歯ブラシの届きにくい場所や汚れがたまりやすい所ができてしまい、完全に歯垢を落とすことは困難です。
こういった汚れや歯垢について、除去しづらい部分や歯の表面等へ綺麗にクリーニングを行います。
またPMTCは煙草のヤニ等にも効果的で痛みもなく、比較的短時間で終わります。
口腔内の確認 |
お口の状態(歯や歯肉)を確認します。 |
研磨ペースト注入・歯のクリーニング |
研磨ペーストを注入・塗布し、歯の表面・裏側・歯と歯の間・ 咬合面を専用の機器にて清掃・研磨します。 |
フッ素化物の塗布 |
仕上げとして歯の表面へフッ素を塗り、むし歯の予防を行うと共に歯を強くします。 |
ご自宅でのケアについてのご説明 |
歯磨きがあまりできていなかった部分やご自宅でのブラッシング方法等をご説明します。 |
・治療費 標準料金:5,500円(税込)
・治療期間目安:1日
・治療回数目安:1回
・注意点・リスクなど:歯のしみと歯ぐきの出血の可能性
歯のまわりの組織の健康は、プラーク中の細菌から作り出される攻撃力と体の防御力(免疫)のバランスが保たれた上で成り立つと考えられています。
つまり、体の防御力よりも細菌が作り出す力の方が強くなってしまった場合に、歯周病になります。
また、重い病気で体の防御力が低下したときにも歯周病が起こることがあります。
そこで、ご自宅での歯磨き以外に年に2回程の定期的な検診をお勧めします。
普段気付かない口内の検診を行う事で虫歯等の早期発見につながります。
定期検診では以下の項目を確認いたします。
細菌の数を少なくするには、普段の歯磨きに加えて、専門家による定期健診やクリーニング(PMTC)を併せて行っていくことが、とても効果的です。
栄養のバランスがとれた食事・規則正しい生活をする事が大切です。
血液疾患や糖尿病のような体の病気、喫煙、ストレスなどは、体の防御力を低下させる(=歯周病を悪化させる)原因として考えられています。
歯の周りの組織も体の一部と考え、体全体の健康に気を配ることが必要です。
歯周病とは、歯茎・歯を支える骨などの組織が、歯周病菌に感染し炎症をおこす感染症のことで、歯肉の炎症による出血・腫れが起きる歯肉炎と、歯を支えている歯槽骨が破壊される歯周炎に大別されます。
一般的によく言われている歯槽膿漏は成人性歯周炎のことで、歯周病はその症状・病態によって複数の種類があります。
歯周病は、歯の表面につくプラークが原因で起こる病気です。
長く放置をすると、口臭や歯茎の腫れ・心内膜炎・肺炎、妊婦の方では早産や低体重児が生まれてしまったり、動脈硬化や糖尿病を引き起こしたりと、歯周病の影響は全身へと大きく広がってしまう危険性があります。
また歯周病の危険因子には肥満と喫煙があり、歯周病になるリスクが肥満では3〜8倍、喫煙では2〜4倍になると言われています。
上記に該当する方は歯周病の危険度が高いため、歯科医師の診察を受けた方が良いと考えます。
不安な方も一度、相談も兼ね検診に行く事をお勧めいたします。
■当院では歯周病に有効なデンタルプロという歯ブラシを使用して、ブラッシング指導を行っています。
ご自宅での使用により、歯周病を改善することができます。
■また歯周病の治療に効果の高い、ご自宅ケア用の歯みがきジェルを販売しております。
口臭改善にも効果的です。